新進アニメスタジオのデビュー作であるTV版は好評でした。元々原作小説の出来が良かったのですが、それを説得力あるシナリオ構成、映像に仕上げたスタッフの力量は素晴らしかった。
そのTV版一期は、ライバルであるアメリカ人少女メアリー・スーが父親の復讐を誓って軍に志願するところで終わりました。二期はその続きからだろうと予想されますが、この劇場版がその構成でした。
これ、TV版二期はどうするんだろ?。劇場版の再編集と新規エピソード追加になりそうな予感。
いやー、この劇場版は凄かった。
魔道士同士の市街地戦は、進撃の巨人の市街地での立体機動をアニメで初めてみたときの衝撃を思い出しました。
メアリー・スー強ぇー。三国志の馬超みたいなもんです。ライバルってのはこうでなくてはいけません。
そしてターニャ役の悠木碧の演技力。
この劇場版、エンディングが2回あります。一回目は曲も同じままTV版再編集版。二回目は劇場版オリジナルのスタッフロール垂れ流し版。その各エンディング前のターニャ演技が秀逸でした。はしゃぐターニャに絶望するターニャ。
副官のビーシャは天然なギャンブル女王なのですが、今作でもナチュラルに周りの兵士から巻き上げてます。中の人が賭けグルイの蛇喰夢子役もやってるんですが、偶然の配役なのだろうかw。
で、TV版でもそうですが、男性キャラが男臭くカッコいいのが他作品のイケメン系男子とは違います。当時の背景もあって軍上層部はヘビースモーカーだらけですが、アニメでそこまで拘って映像化するのも珍しい。今作で精神的にキモい系ライバルも出てきますが、映像にするとキモさが倍増しますね。あんなのの同僚になりたくないw。
ストーリーについてはTV版同様原作を分かりやすく再構成してあり、良い出来です。
ターニャは転生日本人の基本思想である「戦争など物的・人的資源の無駄遣い」「やらなくて済むならそれがベスト」という考えを持ってますが、本人の持つ歴史的戦略的知識に基づいた有能性ゆえに、意に反して軍で重用される流れがよく表されてました。この劇場版がスタジオ二作目とは思えない出来です。
閑話休題:サイコパスは今の所評価できません。3部作ですが1部あたり60分構成で短すぎます。せめて二部にして1時間半にできなかったのだろうか。